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取材日:2009/03/16
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渡邉美奈子さん
―高専の魅力
- 略歴
- 2004年,電子制御工学科卒業,東京工業大学 理学部 地球惑星科学科(第2年次)編入学
- 2007年,東京工業大学 大学院理工学研究科 地球惑星科学専攻入学
- 入学のきっかけ
- 幼い頃からNHKのロボットコンテストを観ており,ロボットの動く仕組みを知りたいと思っていた事が,高専を進学先として選んだ最大の理由です。
- 入学後はすぐにロボティクス部に入部し,部品製作,設計等様々な作業を経験しました。回路が焼けてしまったり,マシンが突然動かなくなったりと辛い場面も数多くありましたが,今となっては,それらも含め全てが懐かしく感じられます。来年度からは技術系社員として働き始めますが,ロボティクス部での経験は,きっと大きな糧となるだろうと思います。
- 高専時代の思い出
- 高専時代を語る上で外す事ができないのは,5年間過ごした寮での生活です。
- まず忘れられないのが,入寮初日に聞いた当時の寮長の言葉です。「父兄の皆さん,最初の1ヶ月は,新入寮生にとって辛い日々が続くと思います。家に帰りたいと泣きつくかもしれませんが,その時は,どうか突き放して下さい。我々が必ず,立派な人間にしてみせます。」
- その言葉通りでした。両親と離れて心細いのと,上級生達の指導が厳しいのとで,泣きたくなる日もありました。しかし,1ヶ月,半年と過ごすうちに,皆表情に自信が表れ,挨拶や公共の場所をきれいに保つ等,当たり前の事を当たり前にできる人間に成長して行きました。他にも,両親のありがたみに気付いたり,掃除や洗濯が上手くなったりと,寮では多くの事を学びました。
- 真面目くさった事ばかり述べてしまいましたが,例えば,お菓子を持ち寄って夜中まで茶会をしたり,テスト前に友達と明け方まで粘ったりといった事も,寮ならではのものでしょう。後輩の皆さんにも是非,寮で貴重な経験を積んでもらいたいと思います。
- まず忘れられないのが,入寮初日に聞いた当時の寮長の言葉です。「父兄の皆さん,最初の1ヶ月は,新入寮生にとって辛い日々が続くと思います。家に帰りたいと泣きつくかもしれませんが,その時は,どうか突き放して下さい。我々が必ず,立派な人間にしてみせます。」
- 大学生活(サークル,研究室)
- 大学編入後に飛躍的に向上したのは,英語力です。東工大には非常に大勢の留学生が在籍しており,英語で行われる講義も多数用意されています。それらを受講したり,留学生達と言葉を交わしたりと,無我夢中で英語を使っている間に少しずつ力がついて行きました。今では,一人で外国を旅行する事が楽しみの一つとなっています。
- 後輩へのメッセージ
- 「高専」と聞くと,「技術者養成学校」とうイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。確かに高専は非常に専門色が強く,進学後の進路変更は,そう容易ではありません。しかし,卒業生の進路は実に様々です。エンジニア,公務員,教師,大学進学等々。これは,受験勉強に追われる事なく,じっくりと自分の興味・関心事を見極める時間があるからだと思います。学力レベルではなく,自分のやりたい事を基に進路を決める事は,大変重要であり,高専では,それがごく当たり前の事として行われています。高度な専門知識を得られるというのも,高専の大きな魅力です。しかしそれ以上に,高専での5年間は,人間的成長ができる(自分で考え,自分で行動できる人間へと成長できる)場であると私は思います。