長岡高専

長岡工業高等専門学校・電子制御工学科

電子制御工学科へようこそ
< RSSによる更新情報 最終更新日時: 2021-04-22, カウンタ: 236270 >

中学生の皆さんへ

あなたはどんなことに興味がありますか?

コンピュータ,タブレット,スマートフォン,プログラム,情報,電気,電子,ロボット,機械の制御,センサ,工作,模型,ゲーム,ラジコン… こういったものに興味がある中学生の皆さん,その知識や技術をもっと深め広げたいと思いませんか?

自分が興味を持って学んだ知識や技術が,将来の自分の仕事につながり,社会の役に立つならば,幸せな人生が送れることでしょう。 その道を開いてくれるのが電子制御工学科です。

電子制御工学科では,機械工学,電気電子工学,情報工学といった分野に共通する基礎学力を重視した教育を実践しています。 多くの演習を通して数学,物理の確かな学力を身に付け,多くの実験を通して力学,電気電子回路,情報処理などの実践力,応用力を身に付けます。

その結果として卒業生の進路は,機械工学,電気電子工学,情報工学だけでなく,航空工学,物理学など多くの分野に渡り,社会に出てからも活躍しています。

クローズアップEC【Vol.013】
特集:R02年度卒業研究,表彰テーマの紹介

金賞
「ニューラルネットワークによる重力波波形再構成のための最適なフィルターデザインの生成」
 オドンチメド ソドタウィラン(データサイエンス研究室/指導教員 酒井)

2015年に人類史上初の重力波の直接的な観測に成功し大きなニュースとなった. 重力波とは,時空のゆがみが時間変動し,波として光速で伝搬する現象である. 重力波を直接的に観測することによって,星が超新星爆発するメカニズムや初期宇宙の状態の解明といった現象の解明につながると考えられている.

現在,重力波の直接的な観測は重力波天文台で行われており,アメリカのLIGO,ヨーロッパのVirgo,そして日本のKAGRAが挙げられる. 重力波天文台はレーザー干渉計を元にしており,超高感度に設計されているが地球までに届く重力波は微弱であるために大きなノイズに埋もれて検出される. ノイズ除去のためにデータ解析の技術が必要になる.重力波におけるデータ解析技術は大きく周波数領域と時間領域に分かれる. 周波数領域では重力波の検出などのアルゴリズムが業績をあげているが,時間領域上の解析はノイズの影響を受けやすく,可能性を広げる必要性がある.

本研究は,時間領域の解析において,最もシンプルなアルゴリズムとして挙げられるデジタルフィルター処理に重点を置いている. バンドパスフィルターやバンドストップフィルターにより重力波の波形再構成可能であることが知られているが,有名な現象であるGW150914の重力波波形を再構成するために16個のフィルターを用いており,その設計は人間によって行われる. そこで,観測データに基づいてフィルターを設計するアルゴリズムの構築することが本研究の目的となる.

研究を進めるにあたり,先行研究としてアメリカのイリノイ大学の論文を参考にした. 信号解析における機械学習アルゴリズムはたくさんあるが,先行研究では重力波のパラメータ推定にはディープラーニングが最も良い結果となったため,本研究でもディープラーニングにより最適なフィルターを生成するように学習させるシミュレーションを行った.

まずは,重力波波形を数値的に生成し,LIGOの感度に基づいたノイズを加える手法でシミュレーションを行った. ノイズはマッチドフィルターSNR=250に固定した. シミュレーション結果は図のようになった. 左側の波形がノイズが追加された波形であり,右側の波形がディープラーニングによって設計されたフィルターによる出力結果である. 図より,入力波形に対して最適なフィルターを生成していることがわかる. また,ディープラーニングモデルが予測するフィルターの高域遮断周波数も一般相対性理論と似たような質量依存性を確認したため有効なアルゴリズムであることがわかった.

今後の課題として,実際の検出データで活用するために低いSNRでシミュレーションを行う方法について検討する必要がある.

銀賞
「ディジタルカメラと視覚情報を用いた簡便なモニタ色調整法の検討」
 穂苅 彩音(色彩映像処理研究室/指導教員 上村)

近年,遠隔医療やインターネット通販など画像の遠隔伝送が一般化しており,モニタで表示される色の差を抑えるカラーマネジメントは社会全体で求められている. デバイスごとに異なる原色や応答・発光特性をまとめらファイルはカラープロファイルと呼ばれ,現在のカラーマネジメントはカラープロファイルに基づいた色変換によって実現されている. その際,モニタの個体差や経年変化などに対応するためにカラーキャリブレーションツールによるカラープロファイル作成が行われているが,専用のセンサ・ソフトウェアを用いるため高価かつ専門性が高いという問題がある. そこで,本研究では現在広く普及している市販のディジタルカメラをセンサに代用することで簡便な色調整が実現できるかを検討した.

はじめに,ディジタルカメラで撮影された画像は,環境光やカメラの色特性によって測色結果が異なるため,専用のセンサの測色結果に最も近い照明条件を実験から求めた. 実験より,一般の照明下でもグレーカードを用いることで測色が可能だと明らかになった. 続いて,カラープロファイル作成に必要な色をモニタ上に表示・撮影し,撮影画像から色情報を取得した. 取得値と規定値(本来表示されるべき色の値)を比較し,取得値より規定値が大きければその取得値を小さくする操作を行った.

このようにして作成したカラープロファイルを適用した画像は,図のように色味が原画像に近づいていることが確認できる. 既知色パッチをまとめたカラーチャートによる色差評価でも,色差の改善が確認できた.

銅賞
「季節性による交通容量の変化を考慮した施設配置モデル」
 菊池 明飛(データサイエンス研究室/指導教員 酒井)

既存の施設配置モデルであるp-medianでは,利用者の総移動距離を最小化するように施設を配置する. しかし,新潟県のような降雪地帯では積雪の影響で路面状態が変化し,冬期の交通容量は夏期に対して低下する. これは体感的な地点間距離の増加と解釈できるので,夏期と冬期で2種類の地点間距離が存在するということになる. 本研究では,p-medianにおいてどちらの地点間距離を用いるべきかを検討した.

仮想的なネットワークを用いたシミュレーションによって検証を行った. その結果の一例を図に示す. 図より μsw - μssws - μww がわかる. 左辺と右辺はそれぞれ,冬期の地点間距離を?いることによる夏期での最適性の低下と冬期での最適性の向上を表している. すなわち,冬期の地点間距離を用いることはデメリットよりもメリットのほうが大きいということである. この不等式は全てのシミュレーションで満たされた. 以上より,夏期・冬期の地点間距離を単に選ぶ場合においては,冬期の地点間距離を用いる方がよいという結論が得られた.

特別賞(学会発表を行った学生)

  • 「深層学習を用いた学生の顔映像からの授業集中度評価」,荒川 瑞紀
  • 「Apache Kafka による国際重力波観測ネットワークにおける低遅延データ共有システムの構築」,小根澤 瞭太
  • 「季節性による交通容量の変化を考慮した施設配置モデル」,菊池 明飛
  • 「電気的過渡応答法における高振動レベル特性の簡易測定解析法の検討」,後藤 祐貴
  • 「円弧状に配置した超音波トランスデューサによる超音波の収束方法」,篠田 竜成
  • 「超音波トランスデューサにより形成された定在波音場の向きと浮揚特性の位置関係」,高津 朋也
  • 「近赤外線分光法による脳機能面からの平衡感覚の評価」,田辺 愛菜
  • 「フェーズドアレイ方式を用いた超音波の収束方法の検討」,中波 亮太
  • 「GVSとベクションの組合せによる加速度知覚強化」,藤井 海成
  • 「PZT圧電素子における高振動レベル領域の経時変化」,諸橋 颯大
  • 「英文読解時の視線・脳波解析による英語力の評価」,八子 拓也
  • 「ニューラルネットワークによる重力波波形再構成のための最適なフィルターデザインの生成」,オドンチメド ソドタウィラン

ひとこと

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