エンジニアリングデザイン教育
ENGINEERING DESIGN EDUCATION

科学技術の急速な進歩と産業のグローバル化によって,国際的に活躍できる技術者教育が求められています。日本の技術者教育は,特にエンジニアリング・デザイン教育への取り組みが弱いとの評価を受けており,全国の大学・高専でその改善に関する取組が数多くなされています。エンジニアリング・デザイン教育には様々な定義がありますが,大別すると次の3つの能力を涵養するためのアクティブラーニングです。
(1)デザイン能力:様々な技術,情報を利用して,社会の要求を解決できる能力
(2)プロジェクト遂行能力:与えられた制約の下で,計画的に仕事を進めまとめる能力
(3)チーム活動能力:チームで仕事をするための能力
長岡高専ではアクティブラーニングに類する種々の演習・実験を開設していますが,それらを統一して国際的にも認められる技術者を養成するために,平成25年度から専攻科第1学年の特別実験において,エンジニアリング・デザイン教育を本格的に開始しました。システムデザイン教育プログラムの自己啓発型課題学修と合せて,システムデザイン・イノベーションセンターが運用しています。

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自己啓発型課題学修(本科4年)

科目の到達目標

  1. 解決すべき課題を見つけ,現場・現物・現実を踏まえ,公衆の健康・安全や文化・社会・環境に配慮した上で,解決のために必要な情報収集・分析・整理のための基本的な方法を理解している。
  2. 前例のない事例でも物事を客観的・論理的にとらえることができ,効果や価値を比較して最良の選択肢を選ぶことができる。
  3. コミュニケーションにおいて口述,記述,図表,グラフィックス等を効果的に選択することができる。
  4. 合意形成のための基本的な方法や合意形成のための集団における個々の役割を理解するとともに,多様な専門性を持つ構成員からなる組織が効果的に機能するためのリーダーの役割やチームワークを理解している。
  5. 法令の遵守の考えや工学技術者として責任を理解するとともに,技術の発展と持続的社会のあり方に関連して,自らのキャリアデザインの必要性を理解している。

授業内容

内容
1 ガイダンス,ロジカル・シンキングとは?
2 ロジカル・シンキングの基本手法とツール
3 ピラミッドストラクチャー
4 ロジックツリー
5 枠組み型ツールと流れ型ツール
6 エンジニアリング・ファシリテーションとは?
7 エンジニアリング・ファシリテーション会議
8 ミーティング・スキル-合意形成,課題解決
9 企画立案のプロセス
10 エンジニアリングデザイン演習 デザインテーマ
11 エンジニアリングデザイン演習 分析
12 エンジニアリングデザイン演習 企画立案
13 エンジニアリングデザイン演習 発表会準備
14 エンジニアリングデザイン演習 企画発表会
15 レポート作成,まとめ

エンジニアリングデザイン演習(専攻科1年)

科目の到達目標

  1. デザイン手法を理解する。
  2. グループで計画的に仕事を進める方法について理解する。
  3. 主体的,継続的に学習する習慣を身につける。

授業内容

内容
1 ガイダンス,グループ分け,アイスブレイク
2 ファシリテーション演習(1)
3 ファシリテーション演習(2)
4 デザインテーマ説明,企画立案(1)
5 企画立案(2)
6 企画立案(3)
7 企画発表会
8 PDCAサイクルに基づく試行(1)
9 PDCAサイクルに基づく試行(2)
10 デザインレビュー
11 PDCAサイクルに基づく試行(3)
12 PDCAサイクルに基づく試行(4)
13 成果発表会準備
14 成果発表会
15 まとめ,後片付け
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