「CZTS薄膜太陽電池の開発」論文が雑誌 Thin Solid Filmsで90日間のMost Downloaded Articles トップに!
2012/09/05
エルゼビア(Elsevier)は,オランダ・アムステルダムを本拠として,医薬・生理・科学・
数学・工学の先端的な学術雑誌や,専門書を出版している欧州屈指の歴史ある学術
専門出版社の一つである。今回,同社の学術雑誌”Thin Solid Films”で,片桐教授
らの論文が”Most Downloaded Articles”のトップに輝いた。
これは,同社のオンライン版ジャーナル”SciVerse ScienceDirect”における過去
90日間のダウンロード数を集計した結果として公表されたものである。さらに,同社
では世界最大級の学術情報ナビゲーションツール(書誌・引用データベース)である
”SciVerse Scopus”も運用している。同論文はこのデータベースにおける引用数ラン
キングでも第3位に入っている事が明らかとなった。
同論文は,EMRS 2008 Spring Meeting(2008年春季,ヨーロッパ材料科学会議,
ストラスブール)で行った片桐教授の招待講演の内容で構成されている。
片桐教授は1995年に,希少元素を含まない汎用原料で構成できるCZTS薄膜太陽
電池の研究を開始した。同論文では,1996年に0.66%という低い効率で誕生させた
CZTS太陽電池を,如何にして2008年の段階で6.77%まで向上させてきたかという
試行錯誤の歴史を読み解く事が出来る。近年の自然再生エネルギーに関する期待の
高まりと,持続的生産可能性を考慮に入れた汎用原料による太陽電池開発という意義
を世界中の研究者が認識したことが,今回の”Most Downloaded Articles”に輝く事
につながったものと考えられる。
今後とも,長岡高専”Project CZTS”が発信する世界最先端の情報にご注目ください。