長岡高専

長岡工業高等専門学校・電子制御工学科

< RSSによる更新情報 最終更新日時: 2016-05-06 >

クローズアップEC【Vol.006】
特集:H26年度卒業研究,表彰テーマの紹介

金賞
「色の知覚差を考慮したカラー画像のモノクローム変換」
 青木塁

ディジタル画像において,カラー画像に比べてモノクロ画像は,表現できる色(濃度)数が圧倒的に少ない。 そのため,カラー画像をモノクロ画像に変換すると,複数の異なる色が同じ濃度値となり,色の差を正しく識別できなくなる場合が生ずる。 そこで本研究では,各色間の知覚差を可能な限り保つ変換アルゴリズムについて検討した。 最初に検討した最小二乗法を用いる方法では,画像に含まれる色の数が多いとうまく変換できないことがわかった。 そこで,クラスタリングを用いて代表色を抽出し,変換する色の数を減らす改善方法を考案した。 その結果,一般的に用いられる変換方法に対して,色の知覚差を再現可能な変換を実現することができた。

銀賞
「MoO3薄膜の微細パターニングによるキャリア発生型OFETのOFF電流制御」
 五十嵐維月

有機トランジスタ (OFET) は,薄型,軽量,柔軟性に優れており,情報タグや電子ペーパーの駆動回路への利用が期待されている。 我々は p 型有機材料に,電子欠陥を持つ酸化性無機材料を積層したキャリア発生型 OFET を提案し,動作時の電流 (ON 電流) を増加できることを報告した。 しかし,この新型OFETは,動作していない時の電流 (OFF 電流) も増加してしまうことが大きな課題となっている。 これに対し,本研究では酸化性無機材料層をスクラッチング処理 (しま模様に加工する処理) したキャリア発生型 OFET を試作し,ON電流を大きく変化することなく OFF 電流を制御する新たな手法を試みた。 その結果,OFF 電流値は電流の流れる向きに対するスクラッチ角度の増加に伴い小さくなり,90度の時に最少となることが分かった。 これは、酸化性材料の形成部位が電流の流れる方向に対して非連続的になり,OFF 電流の電導経路が減少したためと考えられた。

銅賞
「MoO3ホール注入層のラビング処理によるITO/α-NPD界面におけるホール注入性の改善」
 長橋健太

有機電界発光 (Electro luminescence, EL) 素子は軽量・薄型・柔軟性に優れているといった特長を有しているため,テレビやスマートフォンのディスプレイへの応用が期待されているが,それらの製品に適応するためには駆動電圧の更なる低下が求められている。 一方,我々の研究グループでは,これまでにラビング処理と呼ばれる表面加工を行った酸化性無機材料の1つである三酸化モリブデン (molybdenum trioxide,MoO3) をホール注入層に用いることでデバイスの駆動電圧が低下することを報告した。 本研究では,そのメカニズムを明らかにするために,ラビング処理によるMoO3層の物性変化について調べた。 その結果,ラビング処理によりMoO3層とα-NPD層の間の実効的な接触面積が増加し,電荷移動 (Charge Transfer, CT) 錯体の形成量が増大したことが駆動電圧低減の要因であると推察される結果が得られた。

特別賞(学会発表を行った学生)

  • 「電波伝送強度と符号ダイバーシチの干渉抑圧性能の評価」,稲川優斗
  • 「DS/CDMA受信機の試作と検討」,関龍
  • 「変位電流測定による有機EL素子の劣化メカニズム解析」,高橋仙子
  • 「MoO3ホール注入層のラビング処理によるITO/α-NPD界面におけるホール注入性の改善」,長橋健太
  • 「酸化金属薄膜の挿入によるITO/α-NPD界面のホール注入性の改善」,南海舟
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