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長岡高専数学談話会

2011年度より, 長岡高専数学談話会を立ち上げました. 月1回程度のペースで, 1時間程度の講演を行います.
専門的な数学の内容を平易に解説しつつ講演頂きます. 数学に興味のある方はどなたでもご参加下さい.
講演して頂ける方を随時募集しております. 是非世話人までご連絡下さい.

世話人:
  • 長岡工業高等専門学校 一般教育科 高橋 剛 (takeshi☆nagaoka-ct.ac.jp)
  • 長岡工業高等専門学校 一般教育科 田原 喜宏 (tawara☆nagaoka-ct.ac.jp)

(☆は@で書き換えて下さい).

2011年度

お礼

8月から9回の談話会を開催できました. 講演者からは「学会ではできない話題を話せて楽しかった」という感想をいただきました. 経費の問題はありますが, 来年度以降も一工夫して続けて行きたいと考えております. 聴衆・講演者・応援してくださった皆様に感謝申し上げます.

第1回

日時
8月4日(木), 16:30-17:30
場所
長岡高専420講義室
講演者
吉原 久夫 氏 (新潟大学大学院自然科学研究科)
題目
代数曲線の幾何と代数
概要
放物線、楕円や双曲線などの様に多項式$f(x, y)$に対して、$f(a, b)= 0$となる点$(a, b)$の集合のつくる図形を代数曲線という。アーベル、ガロワやリーマンなどの19世紀数学者の研究を振り返りつつ、3次の曲線を例にとり、代数と幾何と解析の3分野が混じり合う調和と統一のとれた美しい世界を紹介する。時間があれば、関係する最近の研究についても言及したい。

第2回

日時
8月30日(火), 16:00-17:00
場所
長岡高専420講義室
講演者
服部 哲弥 氏 (慶應義塾大学経済学部)
題目
Amazonランキングの謎を解く
概要
先頭に跳ぶ規則という簡単な多粒子系の確率モデルを,順位付けの模型として用いてみたところ,たとえばネット書店の草分けとして知られるアマゾンのランキングと呼ばれる数値の動きを説明できることがわかった.しかも,さらなる解析によって,アマゾン書店が代表例と目されているロングテールと呼ばれるビジネスモデルが成立していないことがわかった.この謎解きには大数の法則や流体力学極限という確率論が関わる.以上の研究について紹介したい.

第3回

日時
10月3日(月)16:30-17:30
場所
長岡高専420講義室
講演者
飯高 茂 氏 (学習院大学理学部)
題目
小平先生に教えられたこと。自分で考えたこと。
概要
小平先生に出会ったのは、私が修士課程2年の時でした。それから、大学で7年間先生と同じ階ですごしました。あるとき先生に「数学では良い問題とはどんな問題ですか」と尋ねましたら、すぐに返事をくださいました。それは意外なご返事でした。先生の思い出を思い出したりしながら数学の研究にふれたいと思います。

第4回

日時
10月28日(金)16:30-17:30
場所
長岡高専420講義室
講演者
西尾 昌治 氏 (大阪市立大学大学院理学研究科)
題目
Caloric morphisms on manifolds
概要
等角写像は調和関数を保つことは、正則関数が調和であることからすぐにわかる。同様の性質を持つものに Kelvin 変換がある。これは、円に対する反転であるが、高次元に拡張可能である。 ここでは、熱方程式でそのアナロジーをさぐりたい。Kelvin 変換によく似たものとして Appell 変換が以前から知られていた。実際、私も熱方程式の研究に応用したことがある。本講演では、Riemann多様体上での熱方程式に対する caloric morphism に関して、その特徴付けなどを与える。

第5回

日時
11月17日(木)16:30-17:30
場所
長岡高専420講義室
講演者
松田 修 氏 (津山工業高等専門学校一般科目)
題目
津山高専数学クラブのアイデア
概要
私自身,これまでの津山高専数学クラブは,結構自慢すべきものと思っています。楕円ビリヤード,k−パスカル三角形などの研究など,高専生でもこんなことができるんだという個性的な研究を毎年行っています。今回は,最近の研究活動を中心に,学生研究のアイディアの面白さを紹介いたします。

第6回

日時
12月6日(火)16:30-17:30
場所
長岡高専420講義室
講演者
竹田 雅好 氏 (東北大学大学院理学研究科)
題目
ランダムな時間変更過程の最小固有値とファインマン-カッツ汎関数
概要
シュレディンガー方程式のディリクレ境界値問題とファインマン-カッツ汎関数と呼ばれるウィナー汎関数の可積分性に関連する話題について話します。特に、ブラウン運動のランダムな時間変更過程に対する最小固有値を用いてウィナー汎関数の可積分性に対する必要十分条件が与えられることを示します。

第7回

日時
1月23日(月)16:30-17:30
場所
長岡高専420講義室
講演者
大渕 朗 氏 (徳島大学大学院ソシオアーツアンドサイエンス研究部)
題目
エルミートによる楕円関数を使った五次方程式の解の公式について
概要
一般の五次方程式はガロア理論により冪根によってのみ解の公式を作る事は不可能になることが知られている。エルミートはヤコビの楕円関数論の中で出てくる六次モジュラー方程式のガロア群が五次交代群(実際は五次交代群に同型な、有限体$F_5$上の二次射影特殊線形群$PSL(2,F_5))$になることを利用して六次モジュラー方程式を五次方程式の形に帰着している。また六次モジュラー方程式の解は楕円関数で表わされる事がヤコビの研究によって知られていた。また、先の帰着された五次方程式は、五次方程式の標準形であるブリンク=ジラードの標準形と同じ形になるので、以上から解をはっきり書き下すことの出来る五次方程式の標準形を得ることになる。これらを併せると楕円関数を使った五次方程式の解の公式を作る事が可能になるのである。今回は以上の内容についての大雑把な概略を述べたい。

第8回

日時
2月10日(金)16:30-18:00
場所
長岡高専420講義室
講演者
河備 浩司氏(岡山大学大学院自然科学研究科)
題目
三角格子上の非対称ランダムウォークの推移確率の長時間漸近挙動について
概要
結晶格子上の対称なランダムウォークに関しては, 様々な方向から数多くの研究がなされているが, 非対称な場合にはそれほど研究が進んでいないと思われる。本講演では三角格子に限定し, 石渡 聡 氏 (筑波大), 照屋 翼 氏(岡山大)との共同研究で得られた非対称なランダムウォークの推移確率の長時間漸近挙動についての結果をお話ししたい。特に非対称性の効果が漸近展開のどこにどういう形であらわれるかということと, 小谷・砂田のStandard Realizationの考え方を通して, どのようにゆがんだ三角格子を考えることが自然であるかということに重点をおきたい。

第9回

日時
3月13日(火) 16:00-17:30
場所
長岡高専420教室
講演者
小島 秀雄 氏 (新潟大学自然科学系)
題目
多項式環について―導分と高階導分の話題を中心に―
概要
多項式環は古くから研究されていますが、最近も多項式環の部分環や自己同型の研究が盛んに行われています。これらの研究では多項式環の導分(1階の偏微分作用素の特殊なものです)が重要な役割を果たしています。今回は多項式環に関する最近の話題について、講演者の学生の結果も含めて紹介します。

TAWARA Yoshihiro
Division of General Education,
Nagaoka National College of Technology.
tawara@nagaoka-ct.ac.jp
Since 20, Oct, 2006
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