USB メモリ活用講座
【基礎編・Web ブラウザのポータブル化
 -Google Chrome/SRWare Iron】

< 最終更新日: 2016-10-29 >

Google Chrome Portable と SRWare Iron

Google Chrome Portable (以下 Chrome) を開発した Google は,それをサポートするためのオープンソースブラウザプロジェクト Chromium を公開しています. この Chromium ソースコードから開発された,Web ブラウザが SRWare Iron (以下 Iron) です.

Iron の開発元である SRWare の説明によれば,Chrome には一意なユーザ ID を生成する機能があり,検索履歴や閲覧履歴から Google が情報収集を行う可能性があるのだそうです. これに対し,Iron は Web ブラウザとしての機能は Chrome と同等のままで,情報収集につながる機能を削除し,プライバシ保護に配慮したのだそうです. さらに,標準の Chrome には搭載されていない,広告ブロック機能を備えているとのことです. 詳しくは,英文ですが,SRWare の Web ページの "Chrome vs Iron" を読んでみてください.

ユーザ自身に関する情報が多く与えられるほど,そのユーザの好みにあった良質な情報を提供可能という Google 的な考え方にも一理あると思います. また,以下で説明するように,Chrome も Iron もインストールや設定作業は,どちらも同じくらい簡単ですので,どちらを使うか,あるいは別の Web ブラウザを使うかは,利用者それぞれの判断で決めてください.

Google Chrome Portable のインストール

PortableApps.com が提供するランチャである Portable Apps.com Platform を利用すれば Chrome を簡単に USB ドライブにインストールすることができます. とにかく時間と手間を惜しみたいという方は,PortableApps.com Platform のインストールと使い方PortableApps.com Platform を利用したアプリ追加とアップグレード を参考に Chrome をインストールするとよいでしょう.

LibreOffice/OpenOffice.org のポータブル化」ができた人ならば,Chrome のインストールで困ることはないはずです. 以下では,USB メモリに割り当てられたドライブレターが U: であるものとして,Chrome のインストーラをダウンロードしてインストールを行い,初期設定を行う手順を簡単に紹介します.

  1. PortableApps.com から [Apps]-[Internet]-[Google Chrome Portable]とたどり,Google Chrome Portable の Multilingual 版をローカルハードディスク (C:\tempなど) へダウンロードします.
  2. Google Chrome Portable のインストーラは約 1.5 MBと小さいですが,インストール作業中にインターネットから必要なファイル (38MB 以上) をダウンロードしますので,インターネットに接続された環境で,インストーラを起動します.
  3. 後は LibreOffice Portable と同じような順序で,作業を進めればインストールは完了できるはずです.
  4. インストールが終わったら,ランチャのメニューにでも登録してください.
  5. 警告: この設定は,くれぐれも自己責任でお願いします. Google Chrome には多くの言語対応ファイルが含まれます. 英語と日本語だけあれば十分と考える人は,エクスプローラなどで PortableApps\GoogleChromePortable\App\Chrome-bin\XX.X.XXX.XXX\Locales フォルダ (XX.X.XXX.XXX はバージョン番号に関連する数字) を開き,en-US.pak, ja.pak だけを残して,他のファイルを削除すると,約 20MB ディスクの空きが増やせます.

パスワードの管理や自動ログインの設定については Chrome/Iron のパスワード管理設定 の項を参考にしてください.

SRWare Iron のインストール

SRWare Iron は開発元でも Portable 版が配布されていますが,PortableApps.com から配布されているものを利用するほうがインストールや管理が楽だと思われます. PortableApps.com が提供するランチャである Portable Apps.com Platform を利用すれば Iron を簡単に USB ドライブにインストールすることができます. とにかく時間と手間を惜しみたいという方は,PortableApps.com Platform のインストールと使い方PortableApps.com Platform を利用したアプリ追加とアップグレード を参考に Iron をインストールするとよいでしょう.

以下では,USB メモリに割り当てられたドライブレターが U: であるものとして,Iron のインストーラをダウンロードしてインストールを行い,初期設定を行う手順を簡単に紹介します.

  1. PortableApps.com から [Apps]-[Internet]-[Iron Portable]とたどり,Iron Portable の Multilingual 版をローカルハードディスク (C:\tempなど) へダウンロードします.
  2. Iron Portable のインストーラは約 48.3 MBで,Chrome とは違ってインターネット接続していなくてもインストール作業ができます.
  3. インストーラ作業は,LibreOffice Portable や Chrome と同じような手順で進めればよいでしょう.
  4. インストールが終わったら,ランチャのメニューにでも登録してください※1
  5. 警告: この設定は,くれぐれも自己責任でお願いします. Iron には多くの言語対応ファイルが含まれます. 英語と日本語だけあれば十分と考える人は,エクスプローラなどで PortableApps\IronPortable\App\Iron\locales フォルダを開き,en-US.pak, ja.pak だけを残して,他のファイルを削除すると,約 16MB ディスクの空きが増やせます.

パスワードの管理や自動ログインの設定については Chrome/Iron のパスワード管理設定 の項を参考にしてください.

Chrome/Iron のパスワード管理設定

Chrome/Iron のデフォルト設定では,パスワード認証が必要なページを開くと,アドレスバーのあたりに図1 のようなメッセージが表示されます. ここで[保存]をクリックすると,ユーザ名とパスワードの情報が Chrome/Iron 内に保存され,次回からそのページにアクセスすると自動的にログインが行われます. これは便利な機能ではありますが,この USB メモリが悪意ある第三者の手に渡ると,認証情報が記憶された全ての Web サイトにアクセスされ,個人情報の流出や金銭的な損害を引き起すことにつながりかねません.

図1・パスワードの保存
図1・パスワードの保存

Chrome で USB メモリに認証情報を記憶させないためには,次のような設定を行えばよいでしょう (Iron の操作手順もほぼ一緒です).

  1. Chromeを起動して,画面 (図2) の右上の「Google Chrome の設定」ボタン (赤枠) をクリックし,表示されるメニューから「設定」をクリックします.
    図2・Google Chromeの起動画面
    図2・Google Chrome の起動画面
  2. Google Chrome の設定が表示されます (図3). 右側のペインをスクロールさせ,下部にある「詳細設定を表示」をクリックします.
    図3・Google Chromeの設定
    図3・Google Chrome の設定
  3. 詳細設定項目が表示されるので,「パスワードとフォーム」の項目を探し,次の設定を行います.
    • 「パスワードの保存を確認する」のチェックをオフにすることで,図1 の確認メッセージが表示されないようにします.
    • 「パスワードの管理」のリンクをクリックすると,図4 の画面が表示されるので,「自動ログイン」のチェックをオフにします. もし「保存したパスワード」があれば,リストの右端に「このアイテムを削除」というボタンがあるはずですので,削除しておきましょう.
    図4・Google Chromeのパスワードの管理
    図4・Google Chrome のパスワードの管理

Chrome/Iron の拡張機能-Dr.Web LinkChecker for Chrome の設定

Chrome/Iron の魅力の一つに,豊富な拡張機能 (プラグイン) が利用できることが挙げられます. 特に Chrome は,Google の審査を通った拡張機能が Chrome ウェブストアに登録されているので,安心して利用できると考えるユーザも多いことでしょう. しかし,残念なことに最近,Chrome ウェブストアで提供されていた拡張機能に,不正な動作をするマルウェアが仕込まれていたものが見つかったという報告がありました (参考:ITmedia ニュース記事). このことが,拡張機能は全て危険ということにつながるわけではありませんし,Google の審査も改善されていくこととは思いますが,安易にあれこれ試すのではなく,よく下調べをして必要性を検討したうえで導入するという姿勢が求められているという意識を強めるとよいでしょう.

Firefox のアドオン:Dr.Web LinkChecker」で紹介した,Dr.Web LinkChecker には Chrome 版や Opera 版も存在します. その設定方法を簡単に紹介します (参考: Dr.Web LinkChecker for Opera).

  1. Chrome または Iron のポータブル版を起動し,Dr.Web LinkChecker の Web ページ (http://www.freedrweb.com/linkchecker/) を開きます (図5).
    図5・Dr.Web LinkCheckerのWebページ
    図5・Dr.Web LinkChecker の Web ページ
  2. Chrome 版へのリンクをクリックすると,図6のような画面となります.
    図6・Dr.Web LinkChecker for Chrome
    図6・Dr.Web LinkChecker for Chrome
  3. Install (Free Download) をクリックすると,図7のような画面となります.
    図7・Dr.Web Anti-Virus Link Checker
    図7・Dr.Web Anti-Virus Link Checker
  4. 右上の [+ ADD TO CHROME] をクリックすると,図8のようなインストールの確認ウィンドウが表示されますので,[拡張機能を追加] をクリックします.
    図8・インストールの確認ウィンドウ
    図8・インストールの確認ウィンドウ
  5. アドオンのインストールが完了すると,ウィンドウの右上に図9のような完了通知が表示されます.
    図9・インストールの完了通知
    図9・インストールの完了通知
  6. 以上で Dr.Web LinkChecker が使用可能になっているはずです. Web ページ中の他のページやダウンロードファイルへのリンク,Web ページ中の画像ファイルなどを右クリックしたときに表示されるメニューに「Check with Dr.Web」という項目が追加されているはずです.
  7. さらに,アドレスバーの右横に Dr.Web のアイコンが追加されており,動作状態が通知されます. このアイコンをクリックすると図10 の画面が表示されます. この画面を見ると,最新の Dr.Web にはインターネット追跡 (Internet tracker) をブロックする機能があるほか,Adobe Flash プラグインをブロックするかどうか,広告をブロックするかどうかなどを設定できるようです. 図10 右上のメニューボタン (横三本線) をクリックして,[Options] をクリックすると詳細に動作設定を行うことができるようです (メッセージは英文ですが).
    図10・Dr.Web Link Checker の通知画面
    図10・Dr.Web Link Checker の通知画面