長岡高専

長岡工業高等専門学校・電子制御工学科

< 取材日:2012/03/07 >

匿名希望・男性さん
―大学院生からのメッセージ

略歴
2006年,電子制御工学科卒業,新潟大学工学部電気電子工学科へ編入学
2008年,新潟大学大学院自然科学研究科へ入学
現在,同大学院博士後期課程在学中
入学のきっかけ
ロボットに興味があったことがきっかけです。
高専時代の思い出
思い出といって良いのかわかりませんが,いろいろな人と出会えたのがよかったと思います。
高専の授業は決して簡単ではないので,テスト前やレポート締め切り前は非常につらい時期になります。そんなつらい時期を一緒に何度も乗り切って来たこともあり,クラスメートとは非常に仲良くなれました。さらに,私の場合はロボットコンテストのオフシーズンに何かやろうと呼びかけた事があり,その結果,他のいろいろな高専の知人,友人が出来ました。このように,高専の内外に良い交友関係を作る事ができてよかったと感じています。
また,師匠と呼べるような先輩に出会えたのもよかったです。ある先輩からプロセッサやネットワークなどのことをいろいろ指導していただけたのですが,このことが自分にとって大きな転機になりました。
大学生活(サークル,研究室)
本職は学生ですが,他にも新潟大学で研究員,非常勤講師などの仕事を務めています。いろいろ書きたいところですが,ここでは研究員の仕事のうち,標準化会議について紹介させていただこうと思います。
研究員としての私の仕事は,無線通信に関する技術研究です。ただし闇雲に研究するわけにはいきませんので,IEEE 802の標準化会議というものに参加して情報を仕入れています。IEEE 802の標準化会議では無線LANなどの規格が定められていますので,自然と世界の技術動向がわかります。ただし,学会の会議とは様子がずいぶんと異なります。この標準化会議で採択された規格のほとんどが世界標準となるため,様々な企業がそれぞれの思惑を持っています。したがって,会議中はそれらの思惑が交錯していて非常に複雑怪奇です。静かなる大人の喧嘩,といったところでしょうか。私にはとても口出しできそうにありません。ということで私は研究成果という形で貢献するため,日々研究に努めています。
後輩へのメッセージ
私からのメッセージは3つあります。何かの参考になれば幸いです。
  1. 意外と広く,深く交友関係を作ることができます。高専は閉じた空間に見えるかもしれませんが,そうではありません。一例を私の経験を高専時代の思い出の項に記しましたし,他にも広く交友関係を作っている人がいました。また,近くには先生,すごい先輩,つらいことを一緒に乗り越えてくれる友人がいます。いろいろなタイプの人と知人,友人になれるときっと楽しいことも増えると思いますので,積極的に交友関係を広げて行ってほしいと思います。
  2. 卒業する頃には実践力が高まっています。大学では教える立場でもあるのですが,高専からの編入生は他の学生と比べても実践力が高いように感じます。実験が嫌いになったりする事があるかもしれませんが,めげずに頑張って欲しいと思います。
  3. 英語力は必要です。あと,できればディスカッション能力を身につけてください。海外に何かを提供するには英語が必要で,特許を取るにしても英語が必要,そして世界標準を狙うにしても英語が必要です。その上,何かを提供したり世界標準を狙ったりするなら交渉力も問われます。誰かがやってくれるかと思うかもしれませんが,意外とそうでもありません。若い時から鍛えましょう。標準化会議の話の中で一部情けないような書き方をしましたが,そんな状況にならないためにもがんばって欲しいと思います。
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